WOWOWの日曜22時枠に、とんでもないドラマが現れた。「BLOOD & SWEAT」第1話。開始5分で河川敷の遺体、15分でフィンランドへのフライト。このスピード感だけで、全8話を最後まで走り切る覚悟を感じた。

「血を抜かれた遺体」という異質な事件設計
第1話の事件は、河川敷で発見された遺体の血液が完全に抜き取られているというもの。ここで重要なのは「なぜ血を抜くのか」という動機の不透明さだ。殺害方法として血抜きを選ぶ合理性がない。つまりこの行為自体に意味があるということを、ドラマは冒頭から突きつけてくる。
同じ手口の事件がフィンランドでも発見されたという展開は、単なるスケールの拡大ではない。「なぜ日本とフィンランドなのか」という地理的必然性が、今後の物語の核になるはずだ。
杏という俳優が「国際共同制作」で輝く理由
杏さんがフィンランドの雪原に立つシーンを観て確信した。この人は「日本のドラマに出ている俳優」ではなく、「国際的な映像作品で勝負できる俳優」だ。
フィンランド人キャストとの英語でのやり取り、北欧の冷たい光の中での佇まい。日本パートでの張り詰めた刑事の顔と、フィンランドパートでの孤独なよそ者の顔を、自然に切り替えている。パリに拠点を持つ杏さんだからこそ出せるリアリティがここにある。

ノワールの「暗さの質」がWOWOWならでは
地上波では絶対にできない暗さ。画面の照度ではなく、物語のトーンとしての暗さのこと。第1話の時点で、登場人物の誰も信用できない。主人公の刑事すら、フィンランド行きを望んだ動機が不透明だ。
WOWOWだからこその制約のなさが、このドラマの最大の武器になっている。全8話という尺も、間延びしないちょうどいい密度を期待させる。
第1話で仕掛けられた「3つの伏線」
1話を観返して気づいた伏線をメモしておく。まず、遺体の発見者が「偶然」河川敷にいた理由が説明されていない点。次に、フィンランド側の刑事が杏演じる主人公の名前を「なぜか知っていた」描写。そして、エンディング直前に映った主人公のスマートフォンの着信履歴。この3つが繋がったとき、物語は一気に加速するだろう。

WOWOWの本気を見たい人には、迷わず視聴を勧める。初回から密度が異常に高い。
※イラストはAIで生成したイメージ画像です
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