サバ缶宇宙へ行くの原作は実話!若狭高校12年の軌跡とドラマの違い

月9ドラマ『サバ缶、宇宙へ行く』は、福井県の高校生たちがサバの缶詰を宇宙食にするまでの12年間の実話がもとになっています。原作は小坂康之さん・林公代さんの著書『さばの缶づめ、宇宙へいく 鯖街道を宇宙へつなげた高校生たち』(イースト・プレス、2022年)です。

実話では福井県立若狭高等学校(旧・小浜水産高等学校)の生徒300人以上が世代を超えてバトンをつなぎ、2018年にJAXA「宇宙日本食」の認証を獲得しました。ドラマではこの実話をもとにしながら、キャラクターやストーリーが再構成されたオリジナル作品になっています。

目次

原作『さばの缶づめ、宇宙へいく』の書籍情報

ドラマの原案となった書籍の基本情報をまとめました。ノンフィクションとして、プロジェクトの中心人物だった教師・小坂康之さんの視点を、宇宙・天文ライターの林公代さんが取材・構成した一冊です。

項目内容
タイトルさばの缶づめ、宇宙へいく 鯖街道を宇宙へつなげた高校生たち
著者小坂康之・林公代
出版社イースト・プレス
発売日2022年1月17日
ページ数208ページ
ジャンルノンフィクション
ISBN978-4-7816-2042-8

小坂康之さんは1977年神奈川県生まれで、2001年に福井県立小浜水産高等学校に赴任しました。生徒たちと一緒にサバ缶の宇宙食認証に挑み続けた「熱血教師」として知られています。共著者の林公代さんは福井市出身の宇宙・天文ライターで、JAXAや宇宙飛行士への取材経験が豊富な方なんですよね。

書籍のサブタイトルにある「鯖街道」は、若狭湾で獲れたサバを京都まで運んだ歴史的な街道のことです。地元の文化と宇宙をつなげたという物語のスケール感が、タイトルにも表れています。

実話の全貌|若狭高校の宇宙食サバ缶プロジェクト12年間の記録

この実話は「高校生が缶詰を宇宙に届けた」というシンプルな美談ではありません。学校の統廃合、JAXAの厳格な基準、無重力という未知の環境との闘い。12年間にわたって300人以上の生徒がデータと情熱を引き継いだ、壮大なリレーの記録です。

始まりは一人の生徒の疑問(2006年)

2006年、福井県立小浜水産高等学校(現・若狭高等学校海洋科学科)が全国の水産高校で2例目となるHACCP(食品衛生管理の国際基準)認証を取得しました。授業でHACCPがもともとNASAが宇宙食の安全のために開発した基準だと知った生徒が、こう言ったんですよね。

「それなら、自分たちが作ったサバ缶も宇宙に飛ばせるんじゃないか」

高校生による宇宙食開発は前例がなく、手探りの状態からプロジェクトがスタートしました。指導教諭の小坂康之さんは当時25歳。生徒と同じ目線で、ゼロからの挑戦に踏み出します。

立ちはだかった3つの壁

宇宙食として認証されるには、地上の缶詰とはまったく異なる条件をクリアする必要がありました。生徒たちが直面した主な課題は以下の3つです。

課題内容解決策
汁の飛び散り無重力空間では液体が飛散してISS内の機器を損傷させる危険がある地元・小浜産の葛粉を9%配合してとろみを調整
味覚の変化宇宙では体液が頭部に移動し、味覚が鈍くなる通常のサバ缶より濃い味付けに変更
食感の最適化宇宙飛行士からスプーンで食べやすい柔らかさを求められた地元ブランド「よっぱらいサバ」を使用(脂がほどよく、とろけるような食感)

葛粉の配合比率を0.1%単位で変えながら粘度を測定する実験を、何年もかけて繰り返しています。「9%」という最適値にたどり着くまでに関わった生徒は何世代にもわたりました。

学校統廃合の危機を乗り越える

プロジェクトの途中で小浜水産高等学校は若狭高等学校と統合されることになります。2013年、学校名が変わり、海洋科学科として再出発。宇宙食サバ缶プロジェクトは新しい学校に引き継がれました。

統廃合によって研究環境が変わる中でも、先輩から後輩へとデータと研究ノートが渡されていきます。12年間で延べ300人以上の生徒が関わったとされています。

JAXA認証取得(2018年11月)

2018年11月、「サバ醤油味付け缶詰」がJAXAの「宇宙日本食」として正式に認証されました。高校生が開発した食品としては史上初の快挙です。JAXAの認証番号は33番目にあたります。

2020年11月には、宇宙飛行士の野口聡一さんがISS(国際宇宙ステーション)でこのサバ缶を実食。到着後に投稿したYouTube動画で紹介し、大絶賛しています。12年の夢が宇宙で叶った瞬間でした。

ドラマ『サバ缶、宇宙へ行く』と実話の主な違い

ドラマは実話を「原案」としながらも、脚本家・徳永友一さんによるオリジナルストーリーとして再構成されています。実在の人物や学校をそのまま描くのではなく、ドラマとしてのキャラクター造形やストーリーラインが新たに作られているんですよね。

項目実話ドラマ
学校名福井県立小浜水産高等学校→若狭高等学校若狭水産高校
主人公の教師小坂康之(2001年赴任、実在の教諭)朝野峻一(24歳の新米教師、北村匠海)
プロジェクト期間12年間(2006年〜2018年)ドラマの放送尺に合わせて再構成
きっかけHACCP授業中の生徒の疑問ある生徒の「宇宙食、作れるんちゃう?」の一言
JAXA関係者認証審査を行うJAXA側の担当者木島真(JAXA職員・宇宙飛行士志望、神木隆之介)
地域との関係小浜市・鯖街道の文化と密接に結びつくたこ焼き屋・食堂・漁師など地域住民がキャラクターとして登場
学校の危機統廃合により小浜水産高校が若狭高校に統合統廃合の危機に直面している設定

教師像の違い

実話の小坂康之さんは2001年に赴任した実在の教諭で、当時25歳。生徒と同じ目線でプロジェクトを支え続け、12年間を通じて一貫して関わり続けた人物です。

ドラマの朝野峻一は24歳の新米教師で、教師としての夢を叶えて赴任するものの、学校が統廃合の危機にあるという現実にぶつかります。生徒からも冷ややかな反応を受ける中で、宇宙食開発を通じて変わっていくという成長物語の軸が加わっているんですよね。

JAXA側のキャラクター造形

実話ではJAXAは「認証審査を行う機関」としての立場で登場します。ドラマではJAXA職員・木島真(神木隆之介)が独立したキャラクターとして存在し、自身も宇宙飛行士を目指すという設定が付与されています。朝野と木島が「対峙しながら」物語が進む構造は、ドラマ独自のものです。

神木隆之介さんは芸能活動31年にして初の月9出演です。北村匠海さんとの共演は以前から念願だったそうで、ドラマ独自のキャラクター同士のぶつかり合いが見どころになりそうです。

地域キャラクターの創作

実話では小浜市の鯖街道文化が背景にありますが、具体的な地域住民のエピソードは書籍の構成上あまり前面に出てきません。ドラマでは以下のような地域キャラクターが新たに作られています。

キャラクターキャスト設定
田所明正八嶋智人小浜のたこ焼き屋店主
浜中道夫三宅弘城食堂の店主
浜中和子村川絵梨浜中道夫の妻
百瀬弦佐戸井けん太漁師、食堂の常連客
寺尾茂信迫田孝也漁師、寺尾兄妹の父
檜山香織熊切あさ美ダイビングショップ店主

こうした地域住民が生徒たちの挑戦に巻き込まれていくという構図は、ドラマならではの演出です。実話では「生徒と教師のプロジェクト」という軸で進みますが、ドラマでは「町ぐるみの物語」に広がっているんですよね。

実話の結末|JAXAの認証からISSでの実食まで

実話の結末は、すでに現実として確定しています。2018年にJAXA「宇宙日本食」の認証を取得し、2020年に野口聡一さんがISSで実食しました。プロジェクトの時系列をまとめます。

出来事
2006年小浜水産高校がHACCP認証を取得。生徒の一言から宇宙食サバ缶プロジェクト始動
2007〜2012年葛粉の配合比率研究、味付けの調整、JAXAへのアプローチを繰り返す
2013年小浜水産高校が若狭高等学校に統合。海洋科学科として再出発
2014〜2017年JAXA認証に向けた最終調整。宇宙空間での安全性試験を重ねる
2018年11月「サバ醤油味付け缶詰」がJAXA「宇宙日本食」に正式認証(高校生開発では史上初)
2020年11月野口聡一宇宙飛行士がISSでサバ缶を実食、YouTubeで絶賛
2022年1月小坂康之・林公代による書籍『さばの缶づめ、宇宙へいく』刊行

プロジェクトを牽引した小坂康之さんは、その後も教育者としてのキャリアを積み、小浜市の教育長に就任しています。市の最年少教育長としても話題になりました。中日教育賞も受賞しており、このプロジェクトが教育的にも高く評価されていることがわかります。

若狭高校ではその後「宇宙鯖缶地上化計画」として、宇宙食の技術を災害食に応用する取り組みも進めています。宇宙食開発が終わりではなく、次のステージにつながっているんですよね。

ドラマの結末はどうなる?実話ベースだから見えてくる着地点

実話ベースのドラマなので、最終的に「サバ缶が宇宙食として認証される」というゴールに向かう可能性は高いと考えられます。ただし、ドラマ独自の要素がどこまで加わるかで結末の描き方は変わってきます。

実話から予測できること

実話では12年間に渡る長期プロジェクトですが、ドラマでは1クール(全10〜11話程度)の尺に収める必要があります。12年分の試行錯誤を凝縮する形になるため、プロジェクトの時間軸はかなり圧縮されるはずです。

実話の最大の山場は「学校の統廃合」と「JAXA認証」の2つ。ドラマでも統廃合の危機が設定に含まれているので、「学校存続とサバ缶認証が同時に達成される」というクライマックスは十分にありえます。

ドラマ独自の結末要素

ドラマには実話にない要素がいくつか含まれています。朝野峻一の教師としての成長、木島真との関係性の変化、生徒一人ひとりのドラマ。これらがどう収束するかは放送を見てみないとわからない部分です。

特に木島真(神木隆之介)が宇宙飛行士を目指しているという設定は実話にはないもので、「宇宙への夢」というテーマが朝野と木島の間でどう交差するかがドラマ独自の見どころになりそうです。

脚本の徳永友一さんは『HERO』シリーズや『コンフィデンスマンJP』なども手がけた方で、実話をベースにしつつもエンターテインメントとして仕上げてくるはずです。演出の鈴木雅之さんも月9の名手として知られています。

『サバ缶、宇宙へ行く』作品情報

項目内容
ドラマタイトルサバ缶、宇宙へ行く
放送局フジテレビ系(月9枠)
放送日時2026年4月13日〜 毎週月曜21:00〜21:54
主演北村匠海(朝野峻一 役)
出演神木隆之介、出口夏希、黒崎煌代、伊東蒼、八嶋智人、三宅弘城、村川絵梨、佐戸井けん太、熊切あさ美、吉本実由、ソニン、迫田孝也、鈴木浩介、荒川良々 ほか
脚本徳永友一
演出鈴木雅之、西岡和宏、髙橋洋人
プロデュース石井浩二
原案『さばの缶づめ、宇宙へいく 鯖街道を宇宙へつなげた高校生たち』小坂康之・林公代(イースト・プレス)
ロケ地福井県小浜市 ほか
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この記事を書いた人

ドラマネタバレレビュー運営者|年間50本以上のドラマを視聴するドラマブロガー。
大河ドラマは『真田丸』から10年連続で視聴中。
「支える側」の物語が好きで、秀長の大河化を誰より待ち望んでいた一人。
予想はよく外します。

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