朝ドラ『風、薫る』モデルは大関和と鈴木雅|2人の実在看護師と史実との違い

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2026年度前期のNHK連続テレビ小説『風、薫る』。見上愛と上坂樹里のWヒロインが明治の看護師として駆け抜けるこの物語、じつは2人とも「モチーフとなった実在の人物」がいます。NHKは公式に「モデル」ではなく「モチーフ」という言葉を使っていますが、2人の看護師の人生を知っておくと、ドラマの伏線や重要シーンの意味がまるで違って見えてきます。

この記事では、一ノ瀬りん(見上愛)と大家直美(上坂樹里)それぞれのモチーフとなった実在の看護師2人──大関和(おおぜき・ちか)と鈴木雅(すずき・まさ)の生涯、そしてドラマと史実の違いを整理します。

目次

『風、薫る』一ノ瀬りんのモデルは大関和(おおぜき・ちか)

見上愛が演じる一ノ瀬りんのモチーフは、「明治のナイチンゲール」と呼ばれた実在の看護師・大関和です。栃木県大田原市の出身で、2026年1月には大田原市が公式に「本市出身の大関和をモチーフにした連続テレビ小説」として『風、薫る』の放送開始を発表しています。

大関和は明治21年(1888年)10月26日、看護婦養成所を卒業した日本初の正規看護師のひとり。卒業後は帝国大学医科大学第一医院(現在の東京大学医学部附属病院)の外科で、看病婦取締(いまで言う看護師長)を務めました。当時の「看病婦」は身分が低く見られがちでしたが、大関和は正規教育を受けた「トレインドナース」として、看護という仕事の地位そのものを押し上げた人物です。

項目 大関和(実在) 一ノ瀬りん(ドラマ)
出身 栃木県那須郡黒羽町(現・大田原市) 栃木県(ドラマでも東北道沿いの地方設定)
生年 安政5年(1858年) 明治前半の少女時代から描写
家柄 旧黒羽藩士の家に生まれた武家の娘 父がコレラで命を落とす設定(第1週で描写)
転機 結婚・離縁を経て上京、有志共立東京病院看護婦教育所へ 第2週で「奥様をやめる」と宣言し東京へ
功績 帝国大学医科大学第一医院の看病婦取締/避病院での感染症看護 ドラマ後半で避病院(隔離病棟)勤務の展開
第1週で父がコレラで亡くなる描写は、大関和が後に避病院(コレラ・赤痢の隔離病棟)で看護の最前線に立つ史実を踏まえた伏線と読めます。

『風、薫る』大家直美のモデルは鈴木雅(すずき・まさ)

上坂樹里が演じるもう一人のヒロイン、大家直美のモチーフは鈴木雅。日本で初めて「派出看護婦会」を立ち上げ、看護師を女性の自立した職業として社会に定着させた先駆者です。鈴木雅は静岡県の出身で、ドラマでも第2週で「私、奥様やめる!」と娘を連れて東京へ向かうエピソードが描かれました。

派出看護婦会は、病院所属ではなく「必要な家庭・病棟に看護師を派遣する」仕組み。いまでいう訪問看護・派遣看護の原型で、女性が経済的に自立できる道を切り開いた画期的な事業でした。ドラマ後半では、りん(大関和モデル)と直美(鈴木雅モデル)が派出看護婦会の設立をめぐって再会・協働する展開が予想されます。

『風、薫る』モデル2人の共通点と、2人がWヒロインになった理由

大関和と鈴木雅は、いずれも「桜井女学校付属看護婦養成所」の出身とされ、日本の近代看護の基礎を築いた同時代の先駆者です。史実では2人が直接的に親友として描かれる資料は限られていますが、「正規教育を受けた看護師」という極めて少数派のキャリアを、同じ時代に、同じ東京で追求したという点で重なります。

  • どちらも明治の初期に結婚・離縁を経験したとされる
  • どちらも女性が「職業を持つ」こと自体が珍しい時代に、看護師という道を選んだ
  • どちらも「女性が経済的に自立する」という思想を体現した

『風、薫る』が2人をWヒロインにしたのは、近代看護の歴史を1人の物語に集約できないからです。病院の内側を変えた大関和と、病院の外側(派出)を切り開いた鈴木雅。この両輪があって初めて「日本の看護の夜明け」が描ける、という制作側の設計が透けて見えます。

『風、薫る』モデルと史実の違い|どこまで本当?

NHKは制作発表から一貫して「モデル」ではなく「モチーフ」という表現を使っています。これは、実在の人物の人生をベースにしつつも、ドラマ独自のキャラクター・エピソードを大胆に加えているからです。

ドラマの要素 史実かどうか
大関和が看病婦取締になった事実 ◎ 史実どおり
鈴木雅が派出看護婦会を設立した事実 ◎ 史実どおり
父がコレラで亡くなる(第1週) △ 史実ベースの脚色(当時の感染症流行を反映)
「瑞穂屋」「シマケン」などドラマ独自のキャラ × ドラマオリジナル
りんと直美の少女期の出会い △ 史実では詳細不明。ドラマ脚色

ドラマの各週あらすじ・史実との違いを詳しく知りたい方は、『風、薫る』あらすじ全話ネタバレまとめをご覧ください。実話ベースのエピソードはそちらで週ごとに整理しています。

まとめ|『風、薫る』のモデル2人を知るとドラマが10倍面白くなる

  • 一ノ瀬りん(見上愛)のモチーフ=大関和。栃木・大田原出身、帝国大学医科大学第一医院の看病婦取締
  • 大家直美(上坂樹里)のモチーフ=鈴木雅。静岡出身、派出看護婦会の創設者
  • NHKは「モデル」でなく「モチーフ」と表記。史実ベースだが脚色は大胆
  • 父のコレラ、避病院、派出──史実上の伏線がドラマに仕込まれている

※この記事は2026年4月時点の情報です。ドラマの進行に合わせて随時更新します。

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この記事を書いた人

ドラマを「観る」だけでなく「読み解く」ことに10年以上取り組んできた、ドラマ考察ライター。年間100作品以上を視聴し、脚本構造・キャラクター心理・演出技法・原作比較・社会的文脈まで含めて分析する。「事実→構造→意味」の順で積み上げる考察を信条にしており、個人の感想ではなく一次情報に基づく分析を大切にしている。サスペンス・ヒューマンドラマ・大河・朝ドラ などジャンル不問。

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