※本記事は制作発表時点の情報をもとにした先行記事です。公開日・キャスト等の詳細は続報が入り次第、随時追記します。現時点で確定していない情報については「未発表」と明記しています。
赤松利市の小説『藻屑蟹(もくずがに)』の映画化が発表されました。2026年5月17日(現地時間)、第79回カンヌ国際映画祭にてK2 Pictures(本社:東京都、代表取締役:紀伊宗之)が会見を行い、今後のラインナップの一作として発表したものです。監督は永田琴、企画プロデュース・脚本は岩井俊二(原作者・赤松利市と共同脚本)、製作・配給はK2 Picturesが担当します。この記事では、制作発表時点でわかっている作品情報・原作情報・座組を整理し、続報が入り次第キャスト・公開日などを追記していきます。
なお、映画タイトルは会見発表時点では『藻屑蟹(仮)』として案内されており、正式タイトルは現時点で確定していません(本記事では原作小説と同じ「藻屑蟹」表記で統一し、変更があり次第反映します)。
『藻屑蟹』はどんな話?──震災ビジネスの闇を描く社会派ノワール
映画『藻屑蟹(仮)』は、東日本大震災後の福島を舞台に、原発事故による放射能汚染と補償金問題、除染ビジネスの裏側、そして現地の人々が抱えた分断を描く社会派ノワール作品です。K2 Picturesの発表によれば、莫大な金が動いた除染ビジネスを通じて浮かび上がる人間の強欲さと、被災者同士の分断がテーマの核になるとされています。
原作小説のあらすじは次の通りです。原発事故の様子をテレビで見ていた木島雄介は、これから何かが変わるはずだと確信しますが、待っていたのは何も変わらない日常と、除染作業員や原発避難民たちが街に住み始めたことへの苛立ちでした。それから6年後、雄介は友人の誘いで除染作業員となることを決心します。しかしそこで動く大金を目の当たりにし、雄介はいつしかその渦の中に飲み込まれていく――という物語です。映画版がこの主人公・展開をどこまで踏襲するかは現時点で未発表です。
『藻屑蟹』作品情報(映画)
制作発表時点で公式に確認できている情報を表にまとめました。キャスト・公開日は現時点で未発表です。
| 作品名 | 藻屑蟹(もくずがに)※発表時点では「藻屑蟹(仮)」表記。正式タイトルは続報待ち |
| 原作 | 赤松利市『藻屑蟹』(徳間文庫/2019年3月発売・第1回大藪春彦新人賞受賞作) |
| 監督 | 永田琴 |
| 企画プロデュース・脚本 | 岩井俊二 |
| 脚本 | 赤松利市、岩井俊二(共同) |
| 製作・配給 | K2 Pictures |
| 発表 | 2026年5月17日(現地時間)第79回カンヌ国際映画祭にて発表 |
| ジャンル | 社会派ノワール・サスペンス |
| キャスト | 未発表 |
| 公開日 | 未定 |
原作小説『藻屑蟹』について──著者・赤松利市の実体験がベース
原作は赤松利市による小説『藻屑蟹』(徳間文庫、2019年3月発売、704円)。第1回大藪春彦新人賞の受賞作です。大藪春彦新人賞は、ハードボイルド・冒険小説の巨匠である大藪春彦の業績を称え、大藪春彦賞創設20回を迎えた2017年に新設された公募新人文学賞で、ミステリー・サスペンス・ホラーなど幅広いジャンルの新人作家を対象としています(本作の受賞以降、2026年度からは「徳間書店小説新人賞」として再編されています)。
著者の赤松利市は1956年香川県出身。実際に除染作業員として働いた経験を持ち、その体験をもとに本作を書き上げたことで知られています。受賞当時は62歳で住所不定・無職、ネットカフェのパソコンを借りて原稿を執筆していたというエピソードも報じられており、経歴も含めて大きな注目を集めた新人作家です。『藻屑蟹』での受賞後は初長編『鯖』を発表し、『犬』で第22回大藪春彦賞を受賞。ほかに『らんちう』『ボダ子』『純子』『女童』『アウターライズ』『白蟻女』『風致の島』『隅田川心中』『饗宴』『エレジー』『東京棄民』、エッセイ『下級国民A』などの著書があります。
座組を読む──永田琴×岩井俊二、師弟タッグの意味
本作最大の注目点は、監督・永田琴と脚本・岩井俊二の師弟タッグです。カンヌでの会見で永田監督は「(原作の)小説を読んだとき、非常に衝撃を受け、正直に言って恐ろしさを感じました。福島第一原発事故の後、除染ビジネスを通じて莫大なお金が動いていた」とコメント。前作『愚か者の身分』の制作を通じて「人間の欲望の裏側に隠された孤独や愛」を考え続けてきた経験から、今回のプロジェクトで人間の欲望をさらに深く探求したいと語っています。
岩井俊二は、赤松利市という作家の存在をテレビ番組やYouTubeチャンネルで知り、その人生に興味を持ったことが原作を手に取ったきっかけだったと明かしています。「決して軽くない原作」であり、自身に落とし込むのにかなりの時間がかかったと永田監督の心境にも言及。同じ東北地方出身者として、原発事故のあった福島を舞台にした本作を「意義のあるプロジェクト」と位置づけています。
製作・配給を担うK2 Picturesは、岩井俊二・是枝裕和・白石和彌・西川美和・MAPPA・三池崇史らが賛同する日本発の映画製作ファンド「K2P Film Fund I」を母体とする製作会社。今回のカンヌ会見では『藻屑蟹』のほか、奥浩哉『GIGANT』のアニメ映画化、大友啓史監督の新作、三池崇史×市川團十郎『襲名』、『人間昆虫記』など複数のラインナップが同時に発表されており、日本映画界に新しい製作方式を根付かせる取り組みの一環として注目されています。
キャスト・相関図・公開日について(現時点未発表)
2026年7月1日時点で、本作のキャスト・相関関係・公開日はいずれも未発表です。原作小説の主人公は木島雄介という人物ですが、映画版で誰がこの役を演じるか、また原作の設定・展開をどこまで踏襲するかも含めて公式発表を待つ必要があります。キャスト発表・予告映像解禁など続報が入り次第、この記事にキャスト表・相関図を追記していきます。
※現時点ではキャストが1人も発表されていないため、相関図として独立記事化するだけの情報がありません。続報でキャストが発表され次第、本記事内に相関図セクションを追加する形で対応します(独立記事に分離する場合は改めてお知らせします)。
まとめ
『藻屑蟹』は、赤松利市が自身の除染作業員としての実体験をもとに書き上げ、第1回大藪春彦新人賞を受賞した社会派サスペンス小説の映画化です。監督・永田琴と脚本・岩井俊二という師弟タッグ、そして東日本大震災後の除染ビジネスという重いテーマの組み合わせが最大の注目点。2026年5月のカンヌ国際映画祭での発表時点ではキャスト・公開日ともに未発表ですが、続報が入り次第この記事で随時アップデートしていきます。

コメント