『九条の大罪』は本当につまらない?賛否が割れる理由を口コミで検証

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Netflixシリーズ『九条の大罪』を検索すると、「九条の大罪 つまらない」というサジェストが出てきて気になった、という方は少なくないようです。Filmarksでは4.1(5点満点)と高めのスコアが付く一方で、「リアリティが薄い」「胸糞が続いてしんどい」といった声も確かに見られます。なぜ評価が割れるのでしょうか。

この記事では「つまらない」と言われる理由と、それでも一気見する人が後を絶たない理由の両方を、実際の口コミ・出典付きで整理します。筆者が善悪を断定するのではなく、「どんな人に向き・不向きなのか」を判断する材料を並べる構成です。なお作品の中身は、各話ネタバレ記事と相関図記事でも詳しく扱っています。

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目次

『九条の大罪』ってどんなドラマ?まず前提を整理

評価の話に入る前に、作品の基礎情報を押さえておきます。賛否の理由の多くは、この「成り立ち」に根があるためです。

配信Netflix 世界独占配信(2026年4月2日・全10話一挙配信)
原作真鍋昌平『九条の大罪』(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中・未完)
脚本根本ノンジ
監督土井裕泰・山本剛義・足立博
主演柳楽優弥(弁護士・九条間人 役)
主な共演松村北斗、池田エライザ、町田啓太 ほか
主題歌羊文学「Dogs」

ポイントは2つ。原作漫画が現在も連載中で完結していないこと、そして「悪人を弁護する弁護士」を主人公に据えたクライムサスペンスであることです。この2点が、後述する「つまらない」という評価とも、「面白い」という評価とも、直結しています。

「つまらない」と言われる3つの理由

まずネガティブ側の声から見ていきます。検索で「つまらない」にたどり着いた方が引っかかっているのは、おおむね次の3点に集約されるようです。

(1) 配役・行動原理に「リアリティが薄い」という声

noteのドラマ評では「リアリティーが感じられない配役やら行動原理やらでどうにも『?』が拭えない」「コメディ俳優や吉本芸人を、特に悪役にこれ以上起用するのはやめてくれ」という指摘が出ています(note「ドラマ評『九条の大罪』」より)。社会派の重いテーマを扱う作品だけに、配役の「顔」が物語への没入を削いだと感じた人がいたようです。

(2) 結末が「尻切れトンボ」に感じられる

Yahoo!知恵袋には「終わり方が何も解決していない」という質問が立つなど、ラストに物足りなさを覚えた声が確認できます(Yahoo!知恵袋の質問より)。これは原作が未完であることに由来する構造的な問題で、Filmarksのレビューでも「尻切れトンボ感がある」という批判が見られます。

(3) 胸糞・テンプレ感がしんどいという声

「テンプレ的な胸糞ストーリー」「エンタメ性とリアリティのバランスが悪い」という指摘もあります(Filmarksレビューより)。原作ファンからも「新章くらいからつまらない、10巻くらいまでは良かった」という声がX上にあり(Xの投稿より)、終盤エピソードの方向性が好みを分けた面はありそうです。

その「つまらなさ」は作りの粗さなのか、設計なのか

ここで一度、中立に整理します。上の3点をよく見ると、(2)「尻切れトンボ」と(3)「胸糞・救いのなさ」は、作品の欠陥というより設計思想に近い性質を持っています。

原作が未完なので、ドラマも「事件が一件落着してスッキリ終わる」形にはそもそも作られていません。九条という主人公は依頼人に感情移入せず、淡々と「無罪を取りに行く」キャラクターです。観る側が不快になるのは演出の失敗ではなく、むしろ狙い通りに機能しているとも読めます。実際、Xには「胸糞悪く共感が難しい依頼人でも、誰かが弁護しなければならない。ドラマ見てるこっちはめちゃくちゃ不快なのよ…それがこの作品の面白さ」という、不快さを肯定的に受け止める声もあります(Xの投稿より)。

つまり「つまらない」と「面白い」は、同じ要素(救いのなさ・割り切れなさ)を裏表で評価している可能性が高い、ということです。一方で(1)の配役については、純粋に好みが分かれるポイントで、ここは批判にも一定の説得力があります。

それでも「一気見した」という声が多い理由

ネガティブ側を見た上で、ポジティブ側の声を量で見ると、こちらの方が厚いのが実情です。Filmarksのスコアは4.1(5点満点・37,000件超のレビュー)と高水準にあります。

柳楽優弥の「ハマり役」が牽引力になっている

最も多いのが主演・柳楽優弥への賛辞です。「柳楽優弥のハマり役っぷりがすごくて、一気見したくなる」という声があり(note「九条の大罪は面白いのだけど」より)、X上でも「柳楽優弥さんと北斗くんは、どこか絶望した様な抑えた表情をずっとキープしてて凄い」と、抑制した芝居が高く評価されています(Xの投稿より)。感情を見せない九条というキャラの難しさを、柳楽の佇まいが成立させている、という評価です。

「善悪では割り切れない」会話劇の強度

もう一つの柱が脚本・構造への評価です。「行動原理となるそれぞれの正義や信念と矛盾が描かれていて普通に面白かった」「会話劇とキャラの強さ、社会と善悪を絡めた構造が面白い」という声が確認できます。原作者・真鍋昌平の取材力と、法廷手続きの精緻さも評価のポイントに挙がっています。被告人を「絶対悪」として裁くのではなく、「なぜその人がそうなったのか」まで踏み込む構造が、単純な勧善懲悪では味わえない手応えを生んでいるという評価です。

原作読者からも「原作と構成がかなり異なるがめちゃめちゃいい」「九条先生がそもそも原作より抜け感があり、人として捉えやすい」という、ドラマ独自のアレンジを歓迎する声が上がっています(Xの投稿より)。原作ファンが警戒しがちな実写化において、これは見過ごせないポジティブ評価です。

「不快なのに止まらない」中毒性

ネガ側で挙げた「胸糞」は、ポジ側では「中毒性」に反転します。「嫌な話とは聞いてたけれど、一気見してる人が多い」(前掲X)という証言通り、観るのがしんどいのに次が気になる――という反応が目立ちます。処罰感情を刺激し、SNS世論の描写まで踏み込む構成が、現代的な「観ていて落ち着かないが目が離せない」体験を作り出している、という読み方です。

【独自分析1】脚本・根本ノンジ×監督・土井裕泰の作風から読む

賛否の構造を、作り手の作風から考えてみます。本作の監督陣に名を連ねる土井裕泰は、『大豆田とわ子と三人の元夫』『花束みたいな恋をした』など、「説明しすぎない・余白を残す」演出で知られる作り手です。一方の脚本・根本ノンジは、人間の業や社会の歪みを正面から描くタイプの書き手です。

この組み合わせから推測すると、本作の「割り切れなさ」「答えを出さない読後感」は、偶然ではなく作風の必然と捉えられます。スッキリした勧善懲悪を期待した人ほど「つまらない」に振れ、余白や両義性を楽しめる人ほど「面白い」に振れる――評価が割れるのは、視聴者が作品に求める「読後感のタイプ」の違いによるところが大きい、と整理できます。

注目したいのは、土井裕泰がもともと「明確な答えを観客に手渡さない」演出を得意としてきた作り手だという点です。ラブストーリーや群像劇で培われたその手つきが、クライムサスペンスに持ち込まれると「もやもやが残る」という反応に直結します。これは技術の不足ではなく、むしろ意図的に余韻を残すための選択と読むのが自然でしょう。視聴後に「結局どう思えばいいのか」と問い続けてしまう設計こそ、本作が狙ったものだと考えられます。

【独自分析2】似た賛否を呼んだ作品と並べてみる

『九条の大罪』が呼んだ賛否は、決して珍しいものではありません。過去にも「胸糞・救いのなさ」と「中毒性」がセットで語られた作品はあります。

  • 『悪人』『怒り』系の李相日作品――誰にも感情移入しきれない構造で賛否を呼んだ点が近い。
  • Netflix発の重厚クライム作品全般――一挙配信ゆえ「一気見の中毒性」と「見終わった後のしんどさ」が同居しやすい。
  • 原作未完の漫画実写化――『進撃の巨人』実写など、ラストの不完全燃焼が批判されやすい構造をそのまま引き継ぐ。

こうして並べると、『九条の大罪』への「つまらない」という評価の多くは、この作品固有の欠陥というより、「重いクライム×一挙配信×原作未完」という条件が構造的に生む副作用だと見えてきます。逆に言えば、その条件込みで楽しめる人にとっては、むしろ強みになるジャンルです。

こんな人には向いている/向いていない

ここまでの両論を踏まえ、向き・不向きを整理します。「つまらない」という言葉に不安を感じている方は、自分がどちらに当てはまるかで判断してみてください。

向いている人

  • 善悪を割り切らない、グレーな会話劇・法廷劇が好きな人
  • 柳楽優弥・松村北斗・町田啓太らの抑えた芝居を堪能したい人
  • 「不快だけど目が離せない」中毒性を楽しめる人
  • 社会派・実録風のクライムサスペンスを好む人

向いていない人

  • 勧善懲悪でスッキリ終わる物語を求めている人
  • 救いのない展開・胸糞シーンが苦手な人
  • 原作未完ゆえの「続きが気になる終わり方」が嫌な人

「つまらない」という単語だけで敬遠するのはもったいない作品、というのが両論を並べた率直なところです。まずは1〜2話を試して、九条という主人公の「冷たさ」に乗れるかどうかで判断するのが、いちばん失敗の少ない見方かもしれません。物語の核心や結末の意味、配役の関係性は、ネタバレ記事と相関図記事で深掘りしているので、観る前後の整理に役立ててください。

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この記事を書いた人

ドラマを「観る」だけでなく「読み解く」ことに10年以上取り組んできた、ドラマ考察ライター。年間100作品以上を視聴し、脚本構造・キャラクター心理・演出技法・原作比較・社会的文脈まで含めて分析する。「事実→構造→意味」の順で積み上げる考察を信条にしており、個人の感想ではなく一次情報に基づく分析を大切にしている。サスペンス・ヒューマンドラマ・大河・朝ドラ などジャンル不問。

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